千枚田先づ一枚を耕せる
耕しの果てたる後も寡黙なる
遅れ咲く花は葉がちに湧き立てり
老鶯の出だしの声の低からず
春愁やまひまひづ井の左巻き
雑木山雨にぢぢばばつやつやし
文字盤はいつも真昼の時計草
惜春や向かふ道より戻る道
虫の穴つられて大き青葉かな
行く春の殻を離れぬ貝柱
弟一周忌
此度また去年の鶯忌を修す
おとうとの供花は手植ゑのチューリップ