風向きの変りてよりの孔雀草
乱雑に散りて重なる桐の花
寄す波に貝殻踊る浜薄暑
揚げ船に丸太を嚙ます走り梅雨
六月の波の高さに忘れ潮
船虫や岩を這ふより転げ落つ
草笛に応ふる声の細りけり
文字盤に朝日射し込む時計草
人里に出て老鶯の続けざま
敷藁をはみ出て猶も花南瓜
老木のことに騒つく青嵐
有り無しの風を真面に立葵