ひよつとこが榊でまねく獅子頭
鬼声に変はる語り部榾の宿
一寸の草の影置く春の土
土の色入江にひろげ雪解川
光るものありて途切れる蜷の道
暮れてなほ湖岸明るき八重桜
苗売りの声の過ぎゆく裏通り
遠足の列のとけこむ野のみどり
丸太組む俄野舞台七変化
朝顔や早出の旅を送る声
時止まるままの子規庵秋思濃し
背負はれし児の足垂るる小春かな
茶が咲ける此処が北限風渡る
顔を打つ砂丘のつぶて雪しまく
果てもなき浅間颪や根深汁