神苑に松籟を聞く初詣
まだ誰も汲まぬ蹲踞淑気満つ
遠き世のまなざし今も享保雛
七尾湾潮の香の立つ夕朧
春愁や杭をめぐりて水流る
磨崖仏鈍色にして霾れり
葵祭雨空どこか明るくて
借景の寺山の竹皮を脱ぐ
花苔の揃ひ艶もつ貴船道
雨誘ふ風に玉解く芭蕉かな
無造作に床の桔梗や利休籠
豆稲架の山家に残る日の匂ひ
留守の戸の朱の鶏頭と相対す
空也念仏伝へる古刹冬日和
老々の道身構へて冬籠