染み残る軸も一興今朝の春
安達太良の風を廻してあばれ独楽
茶碗には未の絵柄初点前
余震なほ桜隠しの雪となり
宍道湖の夕日地獄や蜆汁
地祝の弊束に舞ふ春の雪
新茶汲む知覧の話ききながら
筑波嶺をつつむ雨雲茄子の花
鍾乳洞昔むかしを滴らす
神火分け安達太良の里秋まつり
富士新雪黙して姉を見しことも
新涼や糸巻きにある妣の文字
神の旅足早小舟灯をゆらし
菩提寺の冬桜より暮れにけり
み仏を烟らす会津しぐれかな