椿より始まる庭の花暦
国振りの白味噌旨し雑煮餅
風花や沖へ扉あける浮御堂
知らぬ間に満開となる庭の梅
手作りの雛も飾り卒寿すぐ
忘れゐし庭のものの芽勢ぞろひ
彼岸寒ふるさと遠くなりにけり
陽を集め蕾色づく沈丁花
昼寝覚テレビドラマは終りをり
椎の木の今朝の初鳴き法師蟬
伊吹嶺や雲の中より花野人
庭手入れ色なき風の通るかな
湖またぐ橋の彼方の冬霞
年の暮仏具みがきの一日過ぐ
蹲踞に灯ともせり石蕗の花