首里城の青竜起つや初御空
親河馬の水出て淑気振り撒けり
燕飛ぶ空に折れ線あるやうに
花梯梧いよよ耀ふ海の色
奥深く焼かれし 洞 窟や沖縄忌
猪垣の二重の里や夏薊
妻注ぐ泡盛を手に英誌読む
薔薇園に妻と一日や薔薇を買ふ
この星の闇を背負ひて赤き月
隼のしぶき一瞬魚摑む
瑠璃色の宮古の空や鷹渡る
揺れ動く中に明日あり冬薔薇
島二つ跨る冬の二重虹
鯨跳び群青の海揺らしけり
豚の面どんと吊り下げ年の市