撥釣瓶組まれ修二会の庭となる
梅東風に乾く寄進の根付竹
春光や堂に煤けし懸仏
青竹も混じる修二会の矢来組む
薪を割る童子の背 ナ に春日差し
復興と墨文字太く竹送る
お水取竹ひと節に我が名書き
寄進竹を滑り落ちたる春の雪
朝東風を入れて内陣清めをり
春昼や五体投地の音重し
料峭や帷に僧の影著く
大杉に生飯待つ鳥も修二会かな
満行の僧を待ちゐる木の芽晴
春障子練行僧の戻り来る
佐保姫や置かれて軽き達陀帽