春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

自由時間

自由時間 (49) 2017年6月号

コーランのエッセンス、第一章「開扉」を記す。 「讃えあれ、アッラー、万世の主、慈悲深く慈愛あまねき御神、審きの日の主宰者。汝をこそ我らはあがめまつる、汝にこそ救いを求めまつる。願わくば我らを導いて正しき道を辿らしめ給え、汝の御怒りを蒙る人々や、踏みまよう人々の道ではなく、汝の嘉し給う人々の道を歩ましめ給え。」(井筒俊彦訳)

自由時間 (48) 2017年5月号

ライト・ヴァース(軽い詩)という詩のジャンルがある。ブリタニカによると、「第一に楽しませるために書かれていて、しばしばナンセンスと言葉遊びを使用する、ささやかで遊び心に満ちたテーマの詩。かなりの技術的能力、機知、洗練さ、そして優雅さを要するのが特徴で、いずれの西洋詩でも重要な部分を占める」ということである。  わが国では、それほど大きな流れを形成してはいないが、ライト・ヴァースを多く書いた詩人というと、まず天野忠の名前が浮かぶ。

自由時間 (47) 2017年4月号

昨年は夏目漱石没後百年にあたり、今年は生誕百五十年にあたる(1867年2月9日誕生、1916年12月9日死亡)。というわけで、いろいろな記念事業が行われている。 漱石が十五歳のとき約一年間在籍したことのある二松學舍は、漱石のアンドロイド(人型ロボット)を作り公開した。

自由時間 (46) 2017年3月号

去る2月7日、大阪城ホールに一万人を集め、高山右近の列福式が行われた。教皇庁列聖省長官アンジェロ・アマート枢機卿を教皇代理として迎え、日本の司教団、駐日教皇大使(大司教)、右近ゆかりのフィリピン・マニラの枢機卿をはじめとする各国の司教たちが列席した。  伏見に月桂冠という酒造会社がある。その本社は、坂本龍馬が殺されそうになった寺田屋から歩いて四、五分のところにある。その敷地内に、高山右近ゆかりのイエズス会伏見教会への小道がそのまま残っていることが、一昨年に確認された。教会の跡地は幼稚園になっており、その塀で道は途切れているが、この道を福者ジュスト右近が足しげく通ったと思うと感慨深い

自由時間 (45) 2017年2月号

北斎。宝暦十年(1760)に貧農の子として、両国近くで生まれた。時の将軍は九代徳川家重。少年時代は、貸本屋の丁稚や木版彫刻師の従弟として奉公したが、絵に興味を覚え、絵師を志す。 七十一歳のとき、錦絵『富嶽三十六景』の初版発行、 七十五歳のとき、絵本『富嶽百景』の初編発行(全三編、実際は百二景)。

自由時間 (44) 2017年1月号

時は元禄15年12月14日(1703年1月30日)本所松坂町の吉良邸の門前に赤穂浪士四十七人が集結した。おなじみの揃いの火事装束は芝居や映画での話で、本当のところは、まちまちの頭巾をかぶり、籠手をさし、名前を書いた黒い小袖に鎖帷子を着込んで襷を掛け、色とりどりのたっつけ袴を穿き、足袋に戦陣用の草鞋という出で立ちであったようだ。この事件を題材に書かれたのが『仮名手本忠臣蔵』である。わが国演劇史上最高傑作である。初演は寛延元年(1748)、松の廊下刃傷事件から47年後、赤穂浪士の人数を意識したのかもしれぬ。

自由時間 (43) 2016年12月号

「風に吹かれて」  人はどれだけの道を歩めば 人と呼ばれるのか 白鳩はどれだけの海を渡れば 砂浜で眠れるのか 砲弾がどれだけ飛び交えば 永久に禁止されるのか 友よ その答えは風に吹かれている その答えは風に吹かれている

自由時間 (42) 2016年11月号

理屈の多い句は、何ら面白い感じを 起さないので、これを無趣味とも趣味が少ないとも評するのである。 正岡子規

自由時間 (41) 2016年10月号

正岡子規は、明治29年5月から9月まで、新聞「日本」紙上に、読者からの質問に答える形式の「俳句問答」を連載した。36のいろいろな質問に丁寧に答えている。質問は多岐にわたるが、その中からいくつかを現代語に直して紹介する。

自由時間 (40) 2016年9月号

八月七日午後四時半(現地時間)、米国コロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで、イチローが、右翼にある各地試合のスコア掲示板直撃の三塁打を放って、三千本安打を達成した。

自由時間 (39) 2016年8月号

中村八大、いずみたくという優れた作曲家に恵まれていながら永六輔は作詞をやめることを宣言する。二人は仲良しであるがライバルでもあり、その板挟みのようになったようだ。また、印税を頼りにしていると、等身大でいられなくなる不安があるから、という理由もあったらしい。  作詞をやめて始めたのは、収入にはつながらない俳句だった。

自由時間 (38) 2016年7月号

新国立劇場で鄭義信(チョン・ウィシン)三部作が連続上演された。三月『焼肉ドラゴン』、四月『たとえば野に咲く花のように』、五月『パーマ屋スミレ』。 鄭義信は、脚本家、劇作家、演出家として活躍中である。その功績により二〇一四年に紫綬褒章を受章した。その受賞歴を見れば、優れた仕事をしていることが分かる。

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