縋り付くおんぶばつたをつくづくと
花よりも日のあるところ冬の蝶
かまきりの圧死今にも飛ぶかまへ
流木を小屋の支へに冬用意
極月の浜の流木行き場なし
彼の世への径を知るかに冬の蝶
雪蛍目線の高さ保ちけり
極月の人の流れに心急く
波の花風に咲き継ぐ荒磯かな
流木で北窓塞ぐ故老かな
鰤起し一湾のもの総立ちに
一芸のなくて果てたる年忘れ