大沢の池に舟浮く春三日月 山裾にねねの霊廟月朧 春の波ささやくごとく寄せにけり ポンペイの石の轍や炎天下 一湾の人のまばらや夏惜しむ 火祭の松明肩に食ひ込めり 落暉いま雲を吸ひ込む冬の海 丸餅のやうな心で生き抜けり
青木晴子あおきはるこ
◆略歴 京都生れ。平成24年「春耕」入会。令和3年「春耕」同人。千葉、市ヶ谷、同人ネット句会所属。