あはあはと風にしたがふ柳かな
見下ろして見上げてさくらさくらかな
会釈してふはり貫主の夏衣
味噌蔵に入りて涼しや昭和の香
炎天の笊に銭おくござれ市
千年の樟の洞より蟻の列
もう一度手をふる吾子や寒の月
七人の敵なき夫の日向ぼこ