あさぼらけ半月残し春来る
地の息吹秘めて黒々野焼跡
草原の風芳しき五月かな
まとひつく今日の疲れや新茶汲む
虫の音にこころ放ちて高尾の夜
山里の庭をはみ出す柿の秋
踏台を部屋から部屋へ年用意
歩道橋にひとりの昼や冬ぬくし