桐の花父に背きし日の遠き
蕗の皮むきつつ偲ぶ母のこと
しなやかに指の踊れる祭笛
晩学の鉛筆2B小鳥来る
棚雲や西方浄土秋の空
煮凝や能登の訛のゆるき語尾
つはぶきはしづかな花よ好きな花
寒林に人声のして人をらず