等伯の墨の濃淡雪催
春隣サガンの本を読み返す
妬心ふと沈丁の花匂ふとき
夏の夜やコルトレーンとバーボンと
渾心の蘂張りにけり曼珠沙華
ふくよかなみほとけの耳朶露光る
木の実落つ過ぎて知りたる事ばかり
さめざめと柊の花香を零す