花ミモザ遺作の壺を溢れしむ
暮れてより白木蓮色を深めけり
一叢の花かたかごの薄明り
砂に置く鞄の疲れ南吹く
文月や開きしままの八一の書
絵手紙の柿生き生きと獺祭忌
秋ふかし地球儀まはす一人の夜
晩学の途ゆるやかに古茶新茶