花菜ゆで母の匂ひにつつまるる 背の低きたんぽぽ風をやりすごす 会ふ人のみな声交はす桜時 水口にかがむ農夫や遠き雷 夏雲や湖畔の椅子に眠る人 畦に降り息ととのふる秋の蝶 竜の玉弾みし先の日暮れかな 雪折れの枝先のなほ空を向く
正田きみ子しょうだきみこ
◆略歴 平成22年「春」句会入会。平成23年「春耕」入会。令和2年「春耕」同人。