いきいきと雲の生まるる初山河
朱雀門より春の野のはじまりぬ
青竹を叩き清める神輿みち
鬼の首曳きゆく天下祭かな
豆飯は綾子の味と思ひけり
猿つれて閻魔参りの女かな
八十の大志いだきて炎天へ
はんざきの永らへゐたり弥陀ヶ原
月山に生まれたてなる雲の峰
天上へ駒草の径つづきけり
大粒の星の生れたるお花畑
縦走や鉄鎖に露のひとならび
太刀をもて雨うち払ふねぶた武者
盤水逝く夜も鳴きゐる秋の蟬
遥かより秩父ばやしや牡丹鍋