午祭江戸には多き路地稲荷
上社より下社へ雉子のほろろかな
朧夜や天馬は翼休めゐる
大いなる影もて竹生島朧
白き馬洗ふ夕日に染まりつつ
母の忌の近し朝顔咲き出せば
貞任の睨みつつ来る武者ねぶた
草市の影淡きものばかりなる
秋気澄みわたる皇居の樹間かな
一行の詩の重さあり雁渡し
袴着や仙台平の音立てて
狐火の揺れて細かな雨の来る
牛飼は舞の名手や里神楽
玉眼の澄む仁王像淑気かな
お宝を付くる福笹しなるまで