「春耕」は今年(平成28年)創刊五十周年を迎えました。

創刊の言葉は 「有季定型を基礎にした伝統俳句に、自然と人間の生活の中から

新しい美を探求する」です。

半世紀も経つと何事も古びてきますが、「春耕」は常に新しさを目指しています。

「俳句はいつも新しい」のです。

また、「和して楽しむ」を心がけています。会員が分け隔てなく親睦を深め、

俳句を学び、楽しんでいます。

プロフィール

波朗棚山波朗
昭和14年石川県羽咋市に生まれる。 「風」で沢木欣一と細見綾子に師事。昭和41年8月皆川盤水が東京で創刊した「春耕」に同人参加。 「春耕」は「有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求する」をモットーとする。 第六感まで働かせる俳句作りを心がける。平成20年5月「春耕」主宰継承。平成27年まで公益財団法人俳人協会理事長。同副会長を経て現在名誉会員。

 

 

 

 

 

棚山波朗俳句30句抄

『之乎路』から

瓢箪の尻に集まる雨雫昭和52 錆びてより山梔子の花長らへる昭和53 嘴に鑢かけらる新鵜かな昭和54 御柱の曳き綱一村貫けり昭和55 白波の上ばつた飛ぶ辺戸岬昭和55 酒五石豆腐万丁黒川能昭和56

『雁風呂』から

芥子粒となるまで昇り鷹渡る昭和63 顔上げてばかり幼き花田牛平成 2 秋暑し雄島の松の枝密に平成3 乾びたる藻を焚付けに雁供養平成4 黒糸で眼縫はれし囮の鵜平成8

『料峭』から

鶯合せ一の鳥居の浄めらる平成10 御神渡お供の道の幾筋も平成10 はぐれ鳥ふはふは飛んで高擌に平成12 料峭や人より長き棒の影平成13 ゆく秋や筆談に無の一字のみ平成13 漁のなき浜に根を張る馬鹿の花平成14 沖船の満艦飾や蜃気楼平成15 螢烏賊ひかりつくせし命かな平成15

『宝達』から

海鼠腸や能登にとと楽てふことば平成15 永き日や自画像はみな押し黙り平成17 片蔭を出て連れのなきこと思ふ平成17 鰤起し湾の内外奮ひ立つ平成18 あへのこと荒れとや時雨横なぐり平成19 吹かれ来てすぐに吹かるる波の花平成19

以下句集未収載

雁鳴くや師の椅子に座し師を語る平成22 千枚田の中の一枚耕せり平成25 寄居虫の宿も店子も同じ色平成26 糞集む役ゐてチヤグチヤグ馬コかな平成27 蒔くつもりなき朝顔の種を採る平成27 打ち打たるにはか役者の成木責平成28