皆川盤水先生創刊の「春耕」は2021年に創刊55周年を迎えました。 その良き年に第2代主宰棚山波朗先生から「春耕」を引き継ぎ第3代目として「春耕」の発展に尽くす覚悟です。 盤水、波朗先生に学ぶことは勿論ですが古典に競うことを忘れずに春耕俳句を磨き上げます。 「俳句でつづる生活と美」。「あなたの人生で一番輝く一こま」を俳句に記録いたしましょう。
プロフィール
蟇目良雨
昭和17年埼玉県生まれ。本名・駿英。
昭和57年「春耕」皆川盤水・「風」沢木欣一に師事。
昭和63年に「春耕賞」受賞。
編集長を経て令和3年5月主宰継承。
句集に『駿河台』『神楽坂』『菊坂だより』『九曲』『ここから』『2009一日一句集』 『2010一日一句集』『2011一日一句集』『2012一日一句集』 『2013一日一句集』、著書に『平成 食の歳時記』詩歌集『酸うき苺』 俳画集『天然の風』その他編著若干。
「東京ふうが」主宰・「塔の会」会員・「戦後俳人研究会」会員・ 公益社団法人俳人協会監事。
芭蕉研究、蕪村研究のほか高野素十の研究を行っている。
蟇目良雨俳句20句
『令和余香集』より
初鏡父の昔に追ひつけず 去年今年枕といふも一山河 棒鱈をやはらかに炊き雪解宿 うたかたの白を裳裾に春の滝 涅槃図を掛ければ余白あらはるる 酒をもて墨磨りをれば鳥帰る そもそもは並んで卯波見しことに やはらかに老いゆく妻や白手套 妻泣くな夏至のお茶の水橋の上 からすうりの花に寝癖のやうなもの 不易流行とはこの石とあの蜥蜴 身を反らし立山仰ぐ風の盆 先生を静かに殺す秋暑かな 星もまたただやふことを浮寝鳥 冬蜂の日当りながら流れけり 列柱の億万本や霜柱 蕪村忌やゆるめの足袋の履き心地 西湖夕照白を恨みし冬鷗 蘭亭に九曲をして冬の水 寄生木の外は全山冬紅葉