古市枯声053

古市枯声

昭和13年1月12日福島県いわき市久之浜町に生まれる(本名實)
昭和35年 茨城大学文理学部国文科卒業中学校教員となる
昭和51年 「春耕」に入会し、皆川盤水に師事
昭和52年 「風」に入会し、澤木欣一に師事
昭和53年 「春耕」同人
昭和54年 俳人協会会員
昭和56年 「風」同人
昭和61年 第二回「春耕賞」を受賞
昭和63年 第一句集『自安我楽』出版
「春耕」同人会副会長
平成8年 中学校教員を退職
平成11年 第二句集『阿武隈』出版
「春耕」の晴耕・雨読集感想を執筆(平成20年まで)
その間、俳人協会福島県支部副支部長、福島民友新聞俳壇選者などを歴任
平成28年3月12日逝去

代表句

大初日をろがむ津波跡に立ち
雪に挿す榊のみどり鍬始
蓬莱に置く白妙の繭ふたつ
餅花に赤子寝覚めの腕伸ばす
再会と大きく書きて卒業す
野火守がくすぶる棒を持ち歩く
飴色になつてきたりし種井かな
置き去りの牛の咆哮大夏野
じやんがらの稽古に田より蛍来る
子燕の喉の奥まで朝日かな
つかみ消す蚕屋の電球青葉木菟
鰹糶る秤大きく回りけり
手拭を角に結へて牛冷やす
跳ね人来る身のすみずみの鈴鳴らし
女湯に相馬盆唄豊の秋
叩かれて鮭がはららごもらしけり
投げられて深き一礼寒稽古