二階より声返さるる御慶かな 草よりも低き火走る野焼かな 三月や黄昏永き雑木山 おろそかに日を送るなと亀の鳴く 六月を青き風吹く故郷かな 田の神も畔に佇む良夜かな 柚子の香を厨に残し留守の妻 一筋の煙暮れ行く冬田かな
濱中和敏はまなかかずとし
◆略歴 平成26年「春耕」羽村句会入会。平成29年度耕人賞受賞。平成30年「春耕」同人。俳人協会会員。