二階より声返さるる御慶かな
草よりも低き火走る野焼かな
三月や黄昏永き雑木山
おろそかに日を送るなと亀の鳴く
六月を青き風吹く故郷かな
田の神も畔に佇む良夜かな
柚子の香を厨に残し留守の妻
一筋の煙暮れ行く冬田かな