戒壇に和上の国の黄砂積む 結界に入り神となる春の鹿 車井戸備へ奥津城涼しけれ 地下鉄へ追ひかけて来る蟬時雨 八方の風の歌聴く立葵 渓谷の石より多し赤蜻蛉 草の葉の飛んで飛蝗に化けにけり 帰国して何を描かむ額の花
本郷民男ほんごうたみお
◆略歴 移住した韓国で俳句を始め、平成28年『東北・北海道俳額の研究』で文学博士。平成30年帰国「春耕」入会。令和2年「春耕」同人