雷神の一喝に明けお元日
大魚鼓の鱗の疵や年新た
清明や父知る人と語りたり
春祭浦曲に太鼓響動もせり
春祭屋根に火伏せの虎舞へり
山祇に虎魚を供へ熊祭
小瑠璃鳴く算額の絵馬掲ぐ寺
明易や地曳網引く島泊り
土蜘蛛の糸きらきらと薪能
一品は芋茎和なり山伏膳
椿の実いよよ艶増す蜂子陵
小春日やまめぶ汁食ぶ袖ヶ浜
狐火の点る千年杉の闇
年用意とろ火で一日鯉を煮る
鱈汁や靴に縄巻き来たる人
本間まりほんままり
本間まりほんままり
◆略歴 平成11年「春耕」入会。平成24年「春耕」同人。俳人協会会員