初風に幣のそよげる猿田彦
竹林に風のささめく二月かな
風紋のしるき浜辺の余寒かな
初燕荒ぶる風を抜けて来し
青麦の畑に一筋風の道
神橋に藤の天蓋揺れやまず
武者振りの樟の大樹や青葉風
橋の灯の茅花流しに潤みけり
島原や海へ吹き込む青田風
百日紅動かぬままの風見鶏
細波の浄土庭園萩の風
一瞬の風に匂ふや金木犀
一叢の芒に風の定まらず
小春風街に相撲の触太鼓
鳥の羽根風に吹かるる枯木かな
黒田幸子くろださちこ
黒田幸子くろださちこ
◆略歴 平成14年「ありあけ句会」入会。宮川杵名男に指導を受ける。同年「春耕」入会。平成20年「春耕」同人。俳人協会会員。