掘割の雨の濁りに残る鴨
回しつつ指輪をはづす花疲れ
夏つばめ棚田の狭くなるあたり
朝顔や洗ひざらしを今日も着て
秋うらら轆轤を土の伸びあがり
鵯鳴きかはす木戸門の内と外
黄金の茶室をのぞく寒さかな
藁苞に人のぬくもり寒牡丹
望月澄子もちずきすみこ
望月澄子もちずきすみこ
◆略歴 平成 10 年「対岸」入会。「対岸」同人。「対岸」コンクール俳句の部最優秀賞。同評論の部優秀賞。平成 28 年「対岸」退会。平成 29 年 10 月「春耕」入会。棚山波朗に師事。平成 31 年 1 月「春耕」同人。句集『磁石』。俳人協会幹事。