掘割の雨の濁りに残る鴨
回しつつ指輪をはづす花疲れ
夏つばめ棚田の狭くなるあたり
朝顔や洗ひざらしを今日も着て
秋うらら轆轤を土の伸びあがり
鵯鳴きかはす木戸門の内と外
黄金の茶室をのぞく寒さかな
藁苞に人のぬくもり寒牡丹