等伯の墨の濃淡雪催 春隣サガンの本を読み返す 妬心ふと沈丁の花匂ふとき 夏の夜やコルトレーンとバーボンと 渾心の蘂張りにけり曼珠沙華 ふくよかなみほとけの耳朶露光る 木の実落つ過ぎて知りたる事ばかり さめざめと柊の花香を零す
野村雅子のむらまさこ
◆略歴 令和元年お茶の水句会入会、「春耕」入会。令和 4 年「春耕」同人。