逃水や武者行列を先導す
秋の川水車は水を軽くせり
足踏みの重きミシンや昭和の日
カーネーション母は若き日よく笑ひ
夏萩や女人高野の風ゆかし
何遍も書き直す文夜半の秋
凍星や音を仕舞ひて村眠る
冬夕焼山に棲むもの皆淋し