亀鳴くや白鳳仏の欠けし指 冴返る孔雀は羽根を閉ぢしまま 淡雪や一筆書きの舟の水脈 山裾に消えし単線鳥渡る 綿虫や未知の齢にわくわくす 妣の手記また読み返す一葉忌 あらたまの風引き締まる山河かな 淑気満つ三百年の男松
髙橋喜子たかはしよしこ
◆略歴 平成20年日野中央俳句会入会。平成21年「春耕」入会。平成23年高幡句会入会。平成29年府中句会入会。「春耕」同人。