金縷梅のちぢれの風にかかはらず
大空をたつぷり使ひ糸桜
牡丹の芽ひかりの雫蔵しけり
ハンカチの花落つるときさりげなく
黙禱す桜吹雪を浴びながら
地に触るる枝より空へ花吹雪
棕櫚の花日照雨のやうに降りにけり
花菖蒲終のむらさき尽しけり
矢車菊いにしへよりの色湛ふ
栴檀の咲きゐて空をぼかしけり
散りさうなときが盛りの蓮の花
水際に釣船草の込み合へる
濃淡の色の溶け込む秋桜
返り花といへどもあまた咲いてをり
色づきて鬚より覗く竜の玉
山岸美代子やまぎしみよこ
山岸美代子やまぎしみよこ
◆略歴 平成19年春耕市ヶ谷句会入会。平成20年「春耕」入会。平成24年「春耕」同人。