首里城の竜の目動く秋の雲
鎌で刈る音のさやけさ二期刈田
養花天母校に伏せし不発弾
冠鷲大河を前に水駅跡
嬥歌跡秋風そよぎナビーの碑
甘蔗の花揺れて月下の村眠る
北めざしジュゴン泳ぎぬ五月晴
安須森は寝釈迦の如し鳥渡る
洞窟に火炎の跡や沖縄忌
泡盛や浜の漁師の廻し飲み
竜舌蘭与論の崖の大和墓
ニライカナイの風の運べる鷹の尿雨
夏満月城址に響く沙翁劇
刀工の玉の汗飛ぶ初仕事
鵙の贄散村いよよ細うなり
広瀬元ひろせはじめ
広瀬元ひろせはじめ
◆略歴 昭和15年6月那覇市生まれ。昭和52年「風」入会、沢木欣一に指事。平成12年「濱」入会。平成22年「春耕」入会。23年「春耕」同人。春耕那覇、春耕首里幹事。平成23年俳人協会会員。平成26年俳人協会沖縄県支部副会長。詩集『とぎすまされし剣』令和6年5月退会 8月再入会