胸張りて巫女の禱りの琴始め
盆梅や山伏詰所雪の底
桜蕊句帳に降れり南谷
大幣を煽る山風巫女田植
谿渡る行者隠せり夏の霧
水打つて行者を送る坊の妻
郭公やさざめき合うて巫女出仕
瑠璃鳴くや爺杉大き瘤を抱き
羽黒茶屋風鈴に吊る翁の句
爽やかや法螺貝を置く小座布団
月山の水引く坊の新豆腐
暫くは神座またぐ秋の虹
小鳥来る行場に残るポンプ井戸
願文のうすれし絵馬や神無月
松例祭髭を手櫛で松聖