初護摩の炎の上る注連寺
春の夕陽鈴鹿の嶺に落ちゆけり
雪椿赤き蕾の蚶満寺
青田波潮香ただよふ九十九島
虹ヶ丘青葉風吹く茂吉歌碑
補陀落に響く沢音遠郭公
十五夜に月山稜線浮き出せり
芭蕉破れ波濤響く蚶満寺
行終る汚れ草鞋に赤のまま
一日で庄内平野雪五尺
罅割れの臼の手入れや年用意
茂吉墓雪の中なり笹子鳴く
三居稲荷日だまりに鳴く寒雀
山茶花や時打つ鐘の雲巌寺
雲巌寺庭の明るき冬紅葉
菅原庄山子すがわらしょうざんし
菅原庄山子すがわらしょうざんし
◆略歴 昭和57年に俳句を勧められ、藤島俳句会(「春耕」の前身)に入会する。「風」「春耕」で沢木欣一、皆川盤水に師事。平成28年12月22日死去。享年93歳。