紅白のチョーク調へ初授業
嚙むほどに湖国は遠し田螺和
鳥交りをりみ仏のたなごころ
大空のまん中が好き揚雲雀
津波跡涅槃ぐもりの一望に
初諸子あふみの水の香をもてり
巴里祭花屋の軒の雨やどり
ラムネ玉鳴るとき青き空のあり
あめつちの心棒ずれし猛暑かな
夜の秋大黒柱に艶もどる
雁来紅淡海は藍を深むらむ
父見しかこの大陸の流れ星
角とれし音となりたる芋水車
秋燕や月山の空置き去りに (盤水先生ご逝去)
冬柏鳴りづめ二〇三高地
柚口満ゆぐちまん
柚口満ゆぐちまん
◆略歴 昭和53年、職場のフジテレビ俳句会で皆川盤水に師事。昭和54年「春耕」入会。平成元年「春耕」同人。平成16年「春耕賞」。平成17年「春耕創刊四十周年記念俳句賞」現在、春耕事務局長、同人会副会長。俳人協会幹事。句集『夜振火』『淡海』