紅白のチョーク調へ初授業
嚙むほどに湖国は遠し田螺和
鳥交りをりみ仏のたなごころ
大空のまん中が好き揚雲雀
津波跡涅槃ぐもりの一望に
初諸子あふみの水の香をもてり
巴里祭花屋の軒の雨やどり
ラムネ玉鳴るとき青き空のあり
あめつちの心棒ずれし猛暑かな
夜の秋大黒柱に艶もどる
雁来紅淡海は藍を深むらむ
父見しかこの大陸の流れ星
角とれし音となりたる芋水車
秋燕や月山の空置き去りに  (盤水先生ご逝去)
冬柏鳴りづめ二〇三高地