海を越え白寿と交はす初電話
初旅や師の住む国へ待つ街へ
長寿祝ぎ浅草に選る紙の雛
タイ桜と呼ばるる花に迎へらる
風の入るテラスに持参の桜餅
蒼天に黄衣纏ふ涅槃仏
象の背に麦藁帽子弾みをり
シャム湾に続く塩田炎暑かな
メナム川船ごと染まる大夕焼
南国の遅き夕暮れ守宮鳴く
この山を越えればラオス小鳥来る
釣瓶落し椰子の木越しの稜線に
霧深き山寺遥か金の塔
爽やかに白寿の笑みに送らるる
常夏の国より帰り雪催
海を越え白寿と交はす初電話
初旅や師の住む国へ待つ街へ
長寿祝ぎ浅草に選る紙の雛
タイ桜と呼ばるる花に迎へらる
風の入るテラスに持参の桜餅
蒼天に黄衣纏ふ涅槃仏
象の背に麦藁帽子弾みをり
シャム湾に続く塩田炎暑かな
メナム川船ごと染まる大夕焼
南国の遅き夕暮れ守宮鳴く
この山を越えればラオス小鳥来る
釣瓶落し椰子の木越しの稜線に
霧深き山寺遥か金の塔
爽やかに白寿の笑みに送らるる
常夏の国より帰り雪催
田野倉和世たのくらかずよ
◆略歴 平成19年「酸漿」入会。平成24年「酸漿」終刊により退会。平成24年「春耕」入会。平成26年「春耕」同人。俳人協会会員