多磨 茜
本名 茜ケ久保房子
昭和14年9月東京都港区に生れる。
都立三田高校卒業。
伯父 志摩芳次郎の影響で俳句に親しむ。
「狩」「琅かん(王偏に干)」同人
「和賀江」同人を経て平成元年「春耕」同人。
句集『多摩横山』
作品から
登校の傘映しゆく植田水
枯るるまで息つめし顔菊人形
水口の根ごとそよぎて余り苗
黒土の匂ふや雨の植木市
買物籠一番上に葉付き柚子
佐渡の春工房に竹はぜる音
黒潮に乗出す松に鳥交る
空蝉の背のまつすぐに割れてをり
水引草束ねて色のうまれけり
草餅や石臼にある日の温み
船宿に白粉花の夕明り
手焙りの灰うつくしき梅の寺
初鴨の胸張つて水押しゆけり
午後よりはいつも風出て冬菫
盆の花折り来し手足濡れゐたり
雲雀野に眩しき顔となりて佇つ
指先のまだつめたくて雛祭
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