入学子トランペットを抱き帰る
新緑に観音の白極まれり
白蛇の穴出て嫗酒を撒く
葉がくれの光の中の青ぶだう
風立ちて散り時得たる白牡丹
多胡の碑を称ふ風あり大賀蓮
潮騒の子守唄なり南風吹く
マヌカンの赤きパンプス巴里祭
朝露のきらめき宿す穂先かな
鬼城忌や乱るる萩の束ねられ
梨届く思はぬ訃報ともなひて
真新しき水車の木の香小六月
冬の日の川筋に置く影法師
池普請鯉をもどして終りけり
見上げれば見下ろしてゐるスキー場
堀越純ほりこしじゅん
堀越純ほりこしじゅん
◆略歴 平成18年6月 「絹」入会 平成23年1月「ひろそ火」創刊創刊号巻頭 平成23年8月「春耕」入会 平成25年 「春耕」同人 俳人協会会員。令和6年7月退会