灯籠の父の名ゆらぎつつ流る
御神渡り明けゆく空の静寂かな
暁のまどろみにあり今朝の秋
春障子音の惚けし古時計
花ミモザ風に梢の定まらず
新茶汲む子のひとり立ちする朝
春暁や影絵となりし漁舟
樺の皮焚きて信濃の門火かな