耳成に続く古道や冬菫
祇王寺や風しなやかに梅雨兆す
風死すや入鹿首塚畑中に
新緑を来て叡山の風甘し
セル出せば父が近くにゐるやうな
葉の先にとどめて朝の露涼し
埃茸踏みて山路のおほわらは
カシミヤのショールに母のよみがへる