桐の花父に背きし日の遠き 蕗の皮むきつつ偲ぶ母のこと しなやかに指の踊れる祭笛 晩学の鉛筆2B小鳥来る 棚雲や西方浄土秋の空 煮凝や能登の訛のゆるき語尾 つはぶきはしづかな花よ好きな花 寒林に人声のして人をらず
鍋島ことなべしまこと
◆略歴 平成29年「春耕」入会、赤堤句会入会。令和2年「春耕」同人。2022年12月退会