寸ほどの土筆のつづく御陵道
耕しの音遠近に黒木御所
バリバリとドクターヘリ発つ春の夕
廃校の校門今も八重桜
烏賊船の揺れゐる湊風薫る
植田はやみどりの風を呼びにけり
演能や社に残る蟬の声
渚まで金波となりし大夕焼
束ねたる花の積まれし盆の市
舞ひ終へて辞儀する鬼や秋祭
流人碑の背に紅葉散り来たる
水煙の高さに鵙の猛りけり
消ゆるあり生るるもありて波の花
冬怒濤寄せくる磯の安寿塚
「夢」一字高く揚がりし大どんど