まがたまのやうな小石や海髪(うご)の中
手かざして見る韓国や鯉のぼり
春蘭を踏みあやまてる古墳かな
磯岩に束ねしままの島の蕗
防人の海瑠璃色に春浅し
うるみては真珠筏へ春の月
一の宮までげんげ田の広ごれり
元寇の浦を砂飛ぶ松の花
荒鋤の田に子雀の影の跳ぬ
武家屋敷跡に烏賊干す風の島
蟹走る御船屋あとの長堤
秀吉の二の丸玄海つつじ燃ゆ
春しぐれ桃水生家へ石畳
春うららひあふぎ貝の潮しづく
ひとつばたご風待ち港の花明り