まがたまのやうな小石や海髪(うご)の中
手かざして見る韓国や鯉のぼり
春蘭を踏みあやまてる古墳かな
磯岩に束ねしままの島の蕗
防人の海瑠璃色に春浅し
うるみては真珠筏へ春の月
一の宮までげんげ田の広ごれり
元寇の浦を砂飛ぶ松の花
荒鋤の田に子雀の影の跳ぬ
武家屋敷跡に烏賊干す風の島
蟹走る御船屋あとの長堤
秀吉の二の丸玄海つつじ燃ゆ
春しぐれ桃水生家へ石畳
春うららひあふぎ貝の潮しづく
ひとつばたご風待ち港の花明り
武田花果たけだかか
武田花果たけだかか
◆略歴 平成5年「春耕」入会、皆川盤水に師事。9年「春耕」同人。22年盤水主宰逝去に伴い棚山波朗に師事。23年「銀漢」創立に伴い同人入会。伊藤伊那男に師事。俳人協会会員。平成28年度「50周年記念」春耕賞受賞。→受賞作品を読む 令和4年12月退会