沖船も佐渡も隠して霾ぐもり
降る雨にほろほろこぼれ花あけび
田に張りし八十八夜の水ひかる
鵯の声やさしくなりし春夕べ
朝どりの野菜並べて安居寺
噴水の夕日もろとも立ち上がる
けんか凧引く男等の息づかひ
五合庵へ石くれの磴半夏生
ワイングラスふれ合ふ音や夜の秋
後の月厨じまひの水の音
通りすぎ後もどりして金木犀
秋晴の空広びろと大河かな
初雪や物の形のくつきりと
おだやかな海辺を歩く三日かな
買初めは鵯の餌付の熟れバナナ
佐久間洋子さくまようこ
佐久間洋子さくまようこ
◆略歴 入門教室に入り、山崎羅春先生、森重夫先生に一から教わりました。3年目くらいの時、こんな面白い趣味があったのかと、夢中になったことを思い出します。 平成5年 「春耕」入会。平成17年 「春耕」同人 「あきつ」同人 俳人協会会員。