お降りやまだ静もれる街を行く 三間敬子
母の忌や都忘れのよく咲いて 宮田充子
古雛飾りし人のみなやさし 宮沼健夫
春霞絵巻のごとき瀬戸の景 村山千恵
手漕ぎ舟出でゆく浦に初音かな 持田良枝
掘割の雨の濁りに残る鴨 望月澄子
羽二重のごとき手触り走り蕎麦 百瀬信之
校庭に式典の椅子桃の花 守本みちこ