黒牛の百頭はゐて春の草
啐啄のかすかな音や春動く
春月や巨船ゆつくり島を曳く
雲の峰真白きものの持つ力
星月夜語尾伸びやかに島言葉
天辺へ整ふ速さ鷹柱
母鯨跳べば子鯨添ひて跳ぶ
腰撓ふ裂帛の突き寒稽古