涅槃会の客と語らふ空模様
つくしんぼ無垢にかへりし母の笑み
青菜蒔く祭囃を背にうけて
目元までざんぶと入るや菖蒲の湯
月山に傘雲残し春時雨
残雪の月山凜乎空の青
白線のごとき行列山開き
父の掌のまだやはらかき農始め
とんぼうの色淡々し日の出かな
新たなる印象の笑み更衣
草の花ゆらりと揺れて俄雨
校庭の声吸ひあげて秋の空
星月夜つと天空に吸ひ込まる
戸締まりの手を休めけり冬の月
想ひつる三陸の友雪さなか